エラ呼吸の魚の鼻の役割

 魚の顔には、よく見ると鼻の穴が開いています。魚はエラ呼吸なので、この穴は何のために開いているのかという疑問を持つ人は少なくないようです。人間は肺呼吸をしているので、鼻や口から空気を吸って出すときもこれを使うことはだれでも知っています。しかし、もう一つの働きを忘れがちです。つまり、においを嗅ぐ器官でもあるということです。魚の鼻の役割は、このにおいを嗅ぐという役割だけに限られます。でも、水の中で生活しているわけなので、どのようにして嗅ぐのかピンときません。じつは、彼らの鼻の穴は、二つずつ計四つ開いています。前後に二つずつ開いていて、前の穴から水を吸って、後ろの穴からそれを出しています。つまり、前後二つの穴はトンネルのようにつながっていて、そこを水が通るときに水に溶け込んだにおいを嗅いでいるのです。
この機能がよく発達しているのがサメなのです。数キロも離れたところから血のにおいを嗅ぎつけて襲ってくるということはよく知られています。サメは、百万倍も希釈されたものを嗅ぐ力があるとされています。ただし、人間が風の吹いていないところでは、自然の中で香っている花の香りを嗅ぐことができないように、サメもちょっとした潮の流れがないと、嗅ぐ力をうまく発揮できないようです。魚が嗅ぐにおいのもとは、大好きな餌であったり、逃げなければならない敵だったり、生殖の相手だったりとさまざまです。そして魚は、水そのもののにおいも嗅いでいます。サケは自分が育った川の水のにおいを覚えていて、四年後には、そのにおいを頼りに生まれ故郷の川へ帰ってくるのです。鼻の形だけに目を向ければ、ウツボの仲間のトラウツボは、鼻の後ろの穴が長く伸びてしまっていて、角のようになっていて、とても特徴があります。前の穴から吸った水を、その角の先から吐き出すのですが、当然、臭覚もよく発達しているということです。
魚はアミノ酸のにおいに敏感に反応するという研究発表があります。もともと濁った水の場所に棲んでいるナマズやアナゴなどは、臭覚がよく発達しています。それは、濁りで視覚があまりきかないぶん、においを頼りにエサを探さなければならないからです。アナゴの漁などでは、においの強い魚のワタなどをエサとして筒に入れて行われます。臭覚と同時に、魚は味覚も少し離れたところで利かせられるようです。つまり、おいしそうな味がしていると、離れたところでわかるのです。もちろんこちらも水に溶けているのを感じるわけです。
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